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プリちゃん(@PriusShota)です!
光と色彩を描くアーティストである著者が
「愛と官能の画家グスタフ・クリムトの展示、『クリムト展 ウィーンと日本1900』を鑑賞して感じたこと」について書いています。
愛と官能の画家グスタフ・クリムトの展示、『クリムト展 ウィーンと日本1900』を鑑賞して感じたこと

「皆さんはグスタフ・クリムトという画家を知っていますか?」
アートに詳しい方は知っているかもしれませんが、オーストリア・ウィーンを代表する世界的に名の知れている画家です。
彼の有名な作品といえば、金箔を沢山使った黄金様式で描かれる、神秘的で官能美を感じさせる女性の作品たち。
没後100年を記念する展覧会である、『クリムト展 ウィーンと日本1900』が7月10日まで東京・上野の東京都美術館で開催されているとのことで、一流の芸術作品を目に焼き付けるため足を運びました。
クリムトのことはあまり詳しくなかったのですが、今回の展示は初期から晩年の作品まで、彼の歴史を作品とともに辿っていきながら深く知ることができた素晴らしい展示でした。
そこで今回は、「愛と官能の画家グスタフ・クリムトの展示、『クリムト展 ウィーンと日本1900』を鑑賞して感じたこと」として、書いていきますね。
1. グスタフ・クリムトとは?
グスタフ・クリムトとは、時代が大きく変わっていく、19世紀末から20世紀初期のオーストリア・ウィーンで活躍した画家です。画家として有名になる前は、「芸術家カンパニー」として劇場装飾を中心とした仕事で生計を立てていました。だからなのか、クリムトは絵画らしい表現もできれば、デザイン性にも優れている作品がとても多いです。
意外だったことは、クリムトは最初から金箔を沢山使っていく”黄金様式”ではなかったということ。始まりはとても写実的でアカデミック!(全然スタイルが違う!!) あとは他にも、ジャポニズムといった日本美術にも影響を受けていたり、心の安らぎを求めて印象派のような風景画の作品も沢山残していたことでした。
そこから、人間の内面性や幻想的な神秘的題材などを表現していく「象徴主義」や、「アールヌーヴォー」の影響を受けて、”ウィーン分離派”という革新的な芸術チームを結成。そして、ついにあの有名な、金箔を使った装飾的で、抽象的な独特のスタイル”黄金の時代”を確立していきます。。!
【作品紹介】「諸芸術」に案内され、純粋な喜び、幸福、愛を見いだすことができる理想の世界へと導かれます。物語を締めくくるのは、楽園の天使たちの合唱と男女の接吻。「喜びよ、うるわしき神の火花よ」「この接吻を全世界に!」#クリムト展 https://t.co/VNHqzpvxsj pic.twitter.com/Uhibami7rf
— クリムト展@東京都美術館【公式】 (@klimt2019) April 15, 2019
パッと見、すごく華やかでキラキラしているオシャレな作品たち。でも実は、作品に込められた意味は深くて重め。独自の構図、明るくて豊かな色彩で官能美を放つ女性を描きつつ、ところどころに死や滅びを表す不吉なモチーフも一緒に描かれています。そこには、“生きることの美しさと、死に対する悲しさ”がセットになっている深い意味がありました。
今でこそ世界中にクリムトファンがいるくらいの人気ぶりですが、この独自のスタイルは、見てすぐわかるように官能美を感じさせる表現がとても多く、当時はこうした表現がタブー扱いとされていたので、保守派から批判をかなり受け続けていたそう。。
それでもスタイルを貫いたクリムトはカッコいいですよね!
2. 『クリムト展 ウィーンと日本1900』の見どころ
没後100年を記念する展覧会、『クリムト展 ウィーンと日本1900』。今回の展示がすごいところは、東京では約30年ぶりの大きな展示だそうで、約25点以上の油彩画が一堂に集まって鑑賞できる点。
25点以上と聞くと「え?少なくない??」と感じてしまうと思うのですが、実はクリムトの残っている作品は、ナチス・ドイツに奪われてしまったり、戦争で焼けてしまったりして、他の画家と比べて結構少ないんですね。。。
この現代にある作品も、現地のオーストリア・ウィーンへ直接観に行かないと見ることができない作品がほとんど。だから、こうして日本でクリムトの作品を25点以上も見ることができるのは、とっても貴重ということ。。!
【閉幕まであと6日】#クリムト展 東京会場、7月10日(水)の閉幕まであと6日。
7月5日(金)、6日(土)は20:00まで開室します(入室は19:30まで)。展示室内クリムト展ショップも20:00まで営業します。展覧会の余韻をお楽しみください🌱https://t.co/mTajKUpurL pic.twitter.com/QZOkDNJKkP— クリムト展@東京都美術館【公式】 (@klimt2019) July 4, 2019
3. 最大の目玉はやっぱり、黄金時代を代表する作品たち。
【作品紹介】豪華絢爛な「黄金様式」の時代の代表作のひとつ。クリムトがはじめて本物の金箔を用いた油彩画とされます。旧約聖書にも登場するユディトが、匂い立つような官能性をまとう、魅力的な女性として表されています。#クリムト展 pic.twitter.com/UcZyFRkxER
— クリムト展@東京都美術館【公式】 (@klimt2019) December 3, 2018
クリムトが初めて金箔を使った作品で、黄金様式の始まりとなった代表作、《ユディト I》。この作品を鑑賞するだけでも、クリムトらしさがぎゅぎゅっと詰まってます。。!金箔がキラキラと眩しいだけでなく、女性の挑発的な表情を描くタッチもとても味わいがあります。美しい。。!
【作品紹介】全長34メートルを超える壁画《ベートーヴェン・フリーズ》は、ベートーヴェンの交響曲第9番に着想を得てウィーンの分離派会館に描かれた大作。#クリムト展 では、1984年に制作された精巧な原寸大複製を展示します。※写真は分離派会館 https://t.co/VNHqzpN8QT pic.twitter.com/yf5FMcdJmT
— クリムト展@東京都美術館【公式】 (@klimt2019) April 10, 2019
全世界のクリムトファンの憧れ!作曲家ルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェンに捧げた、物語性のある壁画シリーズ《ベートーヴェン・フリーズ》。
本場のウィーン分離派会館を飾る全長34mを、精巧な複製で再現された展示は圧巻でしたね。。!
これはベートーヴェンの交響曲第9番に着想を得て、クリムトが40歳の時に制作したもの。黄金の騎士が幸福を求めて敵に向かい、楽園に辿りつくまでのストーリーが描かれています。音声ガイドでは第9を聴きながら鑑賞できたそうで、「その体験は味わってみたかったな~!」と感じました。
【作品紹介】ローマ国立近代美術館所蔵の《女の三世代》。約170cm角の大画面に人間の一生を幼年期、青年期、老年期の三段階にわけて寓意的に表した傑作✨完成度が高く、壁画などを除けばクリムト最大の作品のひとつです。このたび日本初公開となります!https://t.co/VNHqzpvxsj#クリムト展 pic.twitter.com/kafNgTS6Zf
— クリムト展@東京都美術館【公式】 (@klimt2019) March 12, 2019
ローマ国立近代美術館所蔵の大作《女の三世代》。この作品はなんと日本初来日!人間の一生を、幼年期、青年期、老年期の3つのパートで、クリムトの大きなテーマである”生命の円環”を表現している大きな作品です。
クリムト自身もお父さんや弟、息子の死といった悲劇を経験していて、それにしっかり向き合ってきたからこそ、最初にも触れたように、クリムトの黄金作品には、“生きることの美しさと、死に対する悲しさ”が一緒に描かれているのだと感じました。
まとめ

今回は、「愛と官能の画家グスタフ・クリムトの展示、『クリムト展 ウィーンと日本1900』を鑑賞して感じたこと」として書きました。
黄金装飾が眩しいくらい美しくて、とても印象的な作品を描くグスタフ・クリムト。でも、決してそれだけではない魅力や、作品に込められた深い意味など、数々の作品を通して深く知ることができた展示でした。
個人的には、クリムトが黄金装飾に囚われない、色々な手法にチャレンジをしてきたことや、批判を受けながらも独自のスタイルを貫いていく姿勢、「性と死」といったテーマで表現していくことの難しさにとても刺激を受けました。あとは、《ベートーヴェン・フリーズ》を制作したのが40歳ということで、「自分が40歳になった時はどんな作品を作っているのだろう?」とすごく気になりましたね。。!
この最高に貴重な展覧会は、東京・上野の東京都美術館で7月10日まで開催されています! 興味のある方は是非、グスタフ・クリムトの世界へ足を運ばれてみてくださいね!
少しでも参考になったら嬉しいです!
プリちゃん
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東京在住のアーティスト
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